IT資産管理と情報資産管理

IT資産管理と情報資産管理はよく混同されますが別のものです。また、無理やり使おうとすれば不可能ではないのですが、商材などの在庫管理とは全く違うものです。

IT資産

パソコンやプリンタなどの機器や、インストールされているソフトウェアとその状態(バージョンや保守サポートの有無)のことです。

情報資産

顧客情報や、経営に関わる資料などの、価値のある情報のことで、ファイルサーバやパソコンの中のデータだけではなく、印刷された紙なども含まれます。

資産管理システムの中には両方をまとめて管理できる製品もあります。どちらの資産管理を主な目的とするのかによって製品を選択しましょう。

IT資産管理の種類

IT資産管理の場合、台数が少なければエクセルでも十分に管理できます。概ね管理対象が50台を超えたあたりから、その後も大きく成長が見込まれる場合に検討を始めましょう。大別してエージェント型、エージェントレス型の2種類(両方の特徴を持つハイブリッド型もあります)があり、以下のような特徴があります。

エージェントとは、直訳の通り管理システムとパソコンの仲介役として機能する仕組みのことです。パソコンの中の情報を取りまとめ、管理システムに送信する役目をもちます。エージェントレスになるとエージェントを使わないという意味になります。

エージェント型

明確な管理ができる反面、ネットワーク内に管理外の端末があってもわかりません。また、エージェントのインストールができないネットワーク機器などにはSNMPと呼ばれる管理用の設定を行う必要があります。

エージェントレス型

ネットワーク内を自動探索して、新しく接続された機器を見つけ出してくれます。パソコン側に標準機能の設定を行っておくことでより詳細な情報を取得できるようになります。エージェント型と同様に、ネットワーク機器にはSNMPの設定が必要です。

ハイブリッド型

新しく接続された機器を自動的に認識し、エージェントがインストールされていない端末を検出してくれます。エージェントをインストールすることで詳細な情報が取得できるようになります。ネットワーク機器についても同様です。

社屋が広く、台数が非常に多い場合はハイブリッド型が適しているのではないでしょうか。製品を選定する際は、機器やソフトウェアの保守期間や連絡先まで管理できると、不具合が発生した場合や機器が故障した場合に役立ちます。また、スマートフォンやタブレット、Macなど、Windowsパソコン以外の機器を使用している場合は、対応しているか確認しましょう。

情報資産管理

情報資産管理は、主にISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)などの資格認定を受ける際に必要になります。どのような情報がどのように管理されているか、情報漏えいに対し適切なセキュリティレベルが確保されているか、ファイルサーバなどのアクセスログがとられているか、紙文書であれば閲覧記録が残されているかなどを管理するものとなり、IT資産管理とは性質が異なります。

紙文書の持ち出し管理に対応したシステムもありますが、ほとんどの場合はエクセルなどで作成して印刷した紙の管理台帳のレベルで十分です。膨大な量がある場合などに必要に応じて導入しましょう。

電子データについては、ファイルサーバのアクセスログを見やすく整理できるシステムや、パソコンの操作記録を保存できるシステムなどを利用して管理しましょう。

まとめ

エクセルなどで長い間管理していると担当者独自の文化で管理されるようになり、引継ぎやシステム化が困難になるなどの弊害も発生します。また、IT資産管理は成長企業なら必ず必要になるときが来ます。

台数が増えて管理に限界が来てから導入するのは非常に大変です。監査対応なども効率的になるので、早めの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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