無線LANの速さは重要なの?

市販品無線LAN製品のパッケージには「超高速〇〇Mbps!」などと書かれていますが、速度はそれほど重要ではありません。
オフィス向けの機器選びなら、速い事よりも安全に安定してつながる事の方がずっと重要です。

安全に安定してつながるためには何が必要?

最近の機器であれば家庭向けの製品でもある程度の機能がそろっていますが、大人数で接続するための機能やセキュリティに関わる機能がついていない場合があります。
オフィスで利用する場合は、以下のような機能から必要なものを選定すると良いと思います。

エンタープライズ(企業向け)認証

パーソナル(個人向け)認証では、全員同じIDとパスワードで接続するため、IDとパスワードがわかっていれば個人のパソコンも簡単に無線LANに接続できてしまいます。
退職後も無線LANに接続すれば社内LANに接続できてしまうので、ファイルサーバがだれでもアクセスできる設定になっていると情報を簡単に持ち出されてしまいます。
エンタープライズ認証は、別途認証システム(アクティブディレクトリ)などが必要になります。
個人毎にIDとパスワードがあるので退職時に個人のアカウントを停止すれば接続できなくなります。
また、複数のパソコンを持ち込んでいる事なども簡単に確認できるので、今は認証システムが無くてエンタープライズ認証ができない場合でも、将来の為にこの機能が利用できる製品を選んだ方が良いでしょう。

MACアドレス制限

ネネットワークに接続されているパソコンなどの機器には必ずMACアドレスという固有の値が設定されています。
この値を無線LANアクセスポイントに設定することで、接続の可否を厳密にすることができます。
通常は許可リストに登録する形をとりますが、不審な動作をしているネットワーク機器を狙い撃ちする場合などに、拒否リストを使うこともあります。
許可リストにしか対応していない機器もあるので、拒否リストを使いたい場合は事前に確認しましょう。

ローミング

同一のネットワーク内に複数の無線LANアクセスポイントが設置されている場合に発生します。
無線LAN接続中に移動したとき、より強い電波が受信できる別の無線LANアクセスポイントの近くに来たときに強い電波の無線LANアクセスポイントに接続し直すことをいいます。この時に、通常は通信が一度切断され、動画の再生などが止まったりしますが、止まらずに接続し直せる機能を持った機器もあります。

プライバシーセパレータ

市販されているスイッチングハブに複数の機器を接続した場合、通常はお互いに通信できるようになります。
無線LANでも同じようにお互いに通信できるようになってしまいます。
これだと公衆無線LANに接続した場合に見ず知らずの近くにいる人と通信ができることになってしまいます。
プライバシーセパレータという機能があると無線接続したパソコン同士で通信出来ないように設定できます。
ゲスト用の無線LANなどを検討している場合はこの機能があるものを選びましょう。

公平制御

メーカーごとに機能の名前は異なりますが、複数人で無線LANを使用しているときに、一人が動画を見たら他の人は動画が見れなくなるなどの不公平を低減する機能です。
非常に高速な製品の場合、インターネット側の通信の速度の何倍も速いので、この問題に気づきにくい場合がありますが、ファイルサーバに巨大なファイルをコピーしたときなどに問題が発生することがあります。
利用人数が多い場合にはこの機能があるものを選びましょう。

ゲスト用無線LAN

来客向けに安全に無線LANを提供できるゲスト向けの機能が搭載されているものもあります。
この機能があると、社内ネットワークには接続できず、インターネットのみを許可するといった設定を比較的容易に行えます。
この機能が無くても同様の設定を行う方法はありますが、無線LANは目に見えないので社内LANとつながってしまっていても見えません。
ゲスト用無線LANを構成したい場合は製品選定を含めてエンジニアに依頼するか、この機能に対応しているものを選びましょう。

複数の無線LANアクセスポイントが必要な場合

接続制限や利用状況の分析などを行う場合、複数の無線LAN機器にそれぞれ設定を行ったり、確認したりするのは非常に大変です。
このような場合は複数の無線LANアクセスポイントを集中管理するシステムの導入を含めて検討しましょう。
以前は管理システムが独立型のものが主流でしたが、最近は管理システム内蔵型のものやクラウド管理型のものが出てきました。
管理システム内蔵型の場合は、管理できる台数に制限がありますが、追加の機器やライセンス等を購入する必要がないので中小規模のオフィスに向いています。
クラウド管理型の無線LANは、サブスクリプション型(利用する期間の費用を支払う)のものもあります。 この場合、利用期限が切れると利用期間のサブスクリプションを購入するまで無線LANが利用できなくなってしまうので注意しましょう。

クラウド管理型は、多数の支社、支店がある場合にも機器設定の一元管理ができるのでお勧めです。
LAN配線工事が難しい・LAN配線を増やしたくない場合は、メッシュ型の機器がお勧めです。
無線LANアクセスポイント同士が無線で通信して電波の届く範囲を広げてくれるのでLANケーブルが必要ありません。
ただし、無線LANアクセスポイントの数を増やせば増やすほど無線の通信速度が遅くなっていくので注意が必要です。

たくさん置けば速くなる?

無線LAN機器とパソコンは電波を使って通信しています。
電波は波の性質を持っているので、たくさんの電波が近くにあるとぶつかりあってお互いの通信の邪魔をしてしまいます。
電波干渉を起こさないようにするには、目に見えない電波がどのくらい飛んでいるかを確認し、お互いに邪魔しない様に調整する必要があります。 この確認作業の事をサイトサーベイといいます。
厳密な調査と設計を行う為、非常に安定した無線LAN環境を作る事ができますが、その分費用も高額になります。

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