情報セキュリティの強化、テレワークの導入、さらなる業務の効率化──健全な企業経営を目的としてオフィスのIT化が進むなか、リューズは大規模なシステム開発(SI)でそうしたニーズに応えてきました。
しかしそこには、中小規模のお客様や、特にIT化が急務とされている成長企業の要望に100%応えられないという現状がありました。そこで今回、そのようなお客様が抱える課題を解決するため、オフィスITソリューション《3Qクラウド》をリリースすることになりました。同サービスを開発・運営するのは社内プロジェクトチーム「TEAM 3Q」。4人のチームメンバーが開発ストーリーをお話しします。
3Qクラウド開発のきっかけ
リューズはこれまで、官公庁や学校、大手企業など、大規模なインフラシステムが必要なお客様に向けてシステムインテグレーション(SI)を展開してきました。
システムに求めるお客様の要望を伺い、予算を鑑みて要件定義~設計~開発と工程が進むため、かゆいところまで手が届く理想のシステムができあがるものの、時間と費用がかかることからスピード感やコストバリューを求めるお客様には向いていませんでした。
そんななか、企業運営を円滑にするオフィスITを必要としているのは、大規模インフラを導入できる企業だけではないということに気づきます。
「大規模SIを組むほどの予算はないけれど、最低限のオフィスITは導入したい。ただ、そのサービスが自社にとってベストのものなのかわからない……お客様からのそうした声が少しずつ届くようになりました」(加賀美)
「そこでオフィスITを導入したくても躊躇していたお客様に向けて、“お客様のサイズにあったサービス”を提供できないかと考えはじめたことから、今回のプロジェクトがスタートしました」(屋我)
また、お客様から受託案件を請け負うだけでなく、市場ニーズを見すえた自社プロダクトをリリースしたかったことも、開発のモチベーションになったと振り返ります。
ITサービスをパッケージにするという発想
開発はSI事業で培ったノウハウを活かせる新たなソリューション候補をリストアップすることからはじめました。「クラウドファイルサーバ」など自社で開発したサービスや「ウイルス対策」などの既存のサービスの中でリューズが提供できる機能を洗い出すと70程度の機能がリストアップされたといいます。
しかし、そのリストを前にして開発チーム内でディスカッションしてみると、「機能だけを羅列してもお客様にお選びいただくのは難しいのではないか。」という意見が挙がります。お客様が本当に求めているのは、例えば「情報漏洩を防止したい」「テレワークを導入したい」というように目的を達成することで、機能そのものを求めているのではないはずです。
「導入コストをおさえ、スピーディーに導入できるSaaSサービスもありますが、あるサービスはファイル共有、あるサービスはチャットといったように機能が特化していることが多く、実際にサービスを運用する場合には複雑になることがあります。そこでシンプルに、目的ごとに機能をパッケージ化するというアイデアにたどり着きました」(長谷川)
「SaaS」はインターネット経由でソフトウェアを利用できるサービスで、「チャットツール」や「業務システム」など様々なサービスが登場していますが、お客様ご自身でひとつづつツールを選択していくには時間と負担がかかります。
そこで3Qクラウドではお客様の目線に立ち、機能を目的ごとにまとめてパッケージにしたのです。そしてさらに目的も厳選して「情報漏洩防止」「ファイル管理」「テレワーク」「オフィス業務効率化」「オフィスネットワーク」の5つにしぼっていきました。
そして、5つのパッケージは機能の選択や組み合わせ評価を経て、オフィスITソリューション《3Qクラウド》として完成しました。
3Qに込められた意味
リューズの新たなオフィスITソリューションが「3Qクラウド」と名付けられるまでには、100以上の候補が出てきました。最終的には親しみとわかりやすさ、そして《サンキュー》という語感のよさから決まったと言います。
3つの”Q”には、パッケージ化することにより生みだされるお客様にとってのメリットが含まれています。
一つめは「Quick」。パッケージしているから素早く導入することができます。二つめが「Quality」。エンジニアが厳選したパッケージなので安定した品質をご提供することができます。そして三つめが「Quiet Price」。お客様にとって必要な機能だけが入ったパッケージを選択いただけるので高いコストバリューを実現します。
素早く導入できて、安定した品質で、最適な価格。お客様にとっての価値はなんだろうと考えた結果、出てきた答えです。
ITのブラックボックス化を解消する
一般的なオフィスITは、オフィス機器を扱う会社が請負っていることが多く、そうした場合専門知識を持ったエンジニアが介在しないままサービスが導入されることがあります。そのため自社にとってのベストの選択がわからないまま、コストだけが膨らんでしまうケースがあったといいます。
「ユーザーの意向を汲むことなくシステムを売り切るような営業会社が存在していたことから、『自社に最適なシステムソリューションがわからない』という切実な声がユーザーから多く届いていました」(宮川)
「皆が皆、ITシステムの達人ではありません。システム導入の窓口となっていた社内SEが、ドキュメントも残さずに退社してしまったり、総務担当だからという理由だけで日々の運用を任されている方もいるでしょう。3Qクラウドはそうした方々のことを真摯に考え、導入および実用面での障壁を徹底的に下げました」(屋我)
パッケージの内容はわかりやすく明瞭に。パッケージの内容も開示することでお客様にとって必要な機能だけをお選びいただけるようにこだわったポイントだと言います。
企業の成長にあわせて自由に組み合わせられる
また、忘れてはいけないのが《3Qクラウド》は成長企業のためのサービスであることです。
「たとえば『テレワーク導入を検討している』というお客様には、パソコンを社外に持ち出したときのセキュリティやウイルス対策など、必要な機能を複数組み合わせてご提案します。目的別にサービスメニューを用意し、お客様企業の成長や状況に応じて入れ替えることができるのも、3Qクラウドの特徴といえます」(加賀美)
成長過程にあることから、スタッフを増員してセキュリティ強化が求められたり、急きょテレワークを導入しなくてはならない社会状況になったり、企業にはいろいろなフェーズが存在します。
「そうした変化に対してリニアに対応できるのも強みですね。同一サービスの中でスケールアップできるのは、お客様にとって大きなメリットではないでしょうか」(宮川)
「月額課金制を採用したのもそうした理由からです。その時々のお客様の状況に応じて最適なパッケージを選べるため無駄なコストがかからず、成長段階にある企業に最適なオフィスITサービスだと自負しています」(長谷川)
お客様のサポートにも力を入れたい
今後はプロモーションや導入促進と同時に、お客様からの問い合わせへの対応にも力を入れていきたいと言います。
「導入を検討されているお客様からの問い合わせや、細かなトラブルに対して、時間をかけずに適切な対応ができればユーザーのためになります。そしてまた、トラブルがあっても自動復旧するような仕組みを整えておくことで、私たちサービス提供者や一人ひとりのエンジニアの負担も減ります。関わるすべての人にとって、メリットの多いソリューションであることを心がけています」(屋我)
「私たちは“インフラ屋”です。インフラである以上、高品質のサービスを安定的に提供し、トラブル対応を万全にしておくのは当然のこと。電気やガス、水道のように、なくてはならないサービスの一つとして、信頼性の高いITシステムを提案していきたいですね」(宮川)
成長企業に欠かせない3つのQ、すなわち「Quick(素早い)」「Quality(安定品質)」「Quiet Price(最適価格)」を提供してくれる3Qクラウド。先を読むのが難しい時代だからこそ、3Qクラウドのような柔軟性の高いサービスが輝きを放つのではないでしょうか。
「オフィスITの導入費用と、実効性がともなっていないと感じている方は多いはずです。そうした方々に、SIでもSaaSでもない3つめのソリューションとして《3Qクラウド》を選んでいただけたらうれしいです」(長谷川)
TEAM 3Qはシステムインフラ構築、アプリケーション開発を⼿掛ける株式会社リューズのエンジニアから成る3Qクラウドの開発・運営チームです。
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マネージャー
長谷川 篤 -
チームリーダー
宮川 研二 -
システムエンジニア
屋我 嗣直 -
システムエンジニア
加賀美 裕也